寂しいような、希望もあるような。そんなお花見
私が看護師になってすぐ。15年以上前です。
その病棟は比較的若い方が入院されていました。
でも病は深刻な人が多い。
その年を越えることが難しかったり、なくなるということが本当に多い病棟でした。
4月になると、最大の行事があります。
お花見です🌸
病院の前の公園でお花見をします。
看護側はとても大変。
企画書を提出し、病院の許可をもらい、いける人いけない人、残る人、タイムスケジュールを全て把握しなければなりません。出ていく時間も、帰ってくる時間も狂ってはいけないのです。
まぁ、そこは入院をしていて、日々つらい治療をしている人のリフレッシュのためです!仕方ありません。いや、ぜひさせてください!です
20人ほどの患者さんと日勤スタッフ3人ほどと休みのスタッフだって来てくれます。
医師だって参加です!
毎日壮絶な治療の中の本当に穏やかな1日。いや、ほんの2時間ほどの話です。
次の日から治療の方も一呼吸おけます。
小さい公園なのにすごくきれいに桜が咲いています。
「来年もみたいなぁ」といってくれる人もいます。
その言葉が本当に心に染みる。
患者さんの1人が集合写真を引き伸ばして、「本当にきれいだった。ありがとう」といって、写真を下さいました。
次の年、その写真を見ると桜の下に写っている患者さんは半分以上亡くなっていません。
2年続けて桜が見れる人は、またみれたね、頑張ったねと励まし合います。また頑張ろうねと。
私たちは毎年、前年度の企画書と写真を見ます。その時にこの患者さんはどうだったねと思い出す時間でもありました。
今は、病院も建て直され、町も開拓されて公園もなくなってしまっていました。
長い闘病生活にはすごく大事なお花見だった気がします。
病院の中での規制がすごく多い今、今もあのお花見があることを願っています。
引き伸ばしてくれた写真は、だいぶ薄くなりながらも持ってます。
はじめの数年はみれないときもありました。
写真の中は笑顔なんですもの😢辛くて。
何年かに1度みたくなります。今の時期に思い出されたように...思い出してっていってくれてるのかなぁ?
私の看護の原点です。